ホーム > 仕事 > 帰化申請

帰化申請

三木清は帰化申請については、何も語らず、しかも著作権切れの文章ですが、
じっくりお読みいただければ、帰化申請との接点を見出すことができるでしょう。
私はこれまで思想を主として真偽という方面からのみ考察して来た。真理と虚偽は、哲学上の用語法に従うならば、思想の「価値」である。あたかも美醜が芸術に属する価値であり、善悪が道徳のになう価値であるように、真偽は思想の有する価値である。しかもそれはこのものにのみ固有な価値である、と哲学者は考えている。したがって或る思想は真であったり偽であったりするが、我々はそれを善い思想であるといったりまたは醜い思想であるといったりすることを許されない。近代の認識論はこのように説くにもかかわらず、現実の生活においては、我々は絶えず、一定の思想を善い思想であると呼び、または悪い思想であると称している。それが現実である。むしろ真なる思想、偽なる思想という言葉よりも、善い思想あるいは悪い思想という言葉を人々は一層多く実際生活のうちでは用いているように見える。例えば、かの思想善導という語をとって考えてみよう。思想善導というのは、真なる思想へ人々を善く[#「善く」に傍点]導くということでなく、かえって善い[#「善い」に傍点]思想へ人々を導くということを意味している。もしそれが真理へ向って善く誘導するということであるならば、それはそれが今現実にとっているような形態をとって現われ得ないはずである。いかなる思想が真理であるかはただ研究を俟《ま》ってのみ決定され得ることであるが故に、その場合には、ひとが思想善導の名のもとに思想の自由なる研究を取締ったり、禁止したりするばかりでなく、さらに進んで思想の研究そのものに対する興味を種々なる方法でほかへそらそうなどとすることは出来ないはずである。しかるに思想善導が実際においてはこのような形態のものであるとするならば、そこで問題となっているのは、なんら思想の真偽ではなく、かえって思想の善悪であるのでなければならぬ。すなわち、或る思想は取締られ、圧迫さるべきであると考えられるのは、それが悪い思想であり、危険な思想であると、人々の見なしているのによるのである。このように現実の生活の中においては、思想は真偽という理論的価値のほかになお善悪というがごとき規定を具えている。これは明らかである。私はかかる規定を思想の「価値」と区別して思想の「性格」と名づけようと思う。思想の性格を表現する言葉には、善、悪以外に、危険、穏健、反動的、過激的など、その他のものがある。思想は現実においてすべて性格的である。否、我々の日常の生活にあっては、真理と虚偽なる思想の価値は蔽い隠されてしまって、思想はすべて性格的なものとして生きているのがつねである。
 ここに注意すべきは、思想の価値と性格とが必ずしも相応しないということである。善い思想が必ずしも真なる思想であるわけでなく、危険な思想が必ずしも偽なる思想であるわけではない。しかしながら実際生活においては、思想の価値規定は埋没されて認識されることなく、思想は単にその性格に従ってのみ理解されているが故に、まさしくこのことから容易に、人々が善い思想をもって直ちに真なる思想であると考えるに到る、ということがしばしば生ずる。善い思想だから、それは真でなければならぬ、という風に、無意識的にであるにせよ絶えず推論されている。かくのごときことは真理ということをのみひたすらに問題とすべきはずの学者の間にあってさえ存在するのである。
帰化申請についてご参考になると思われる三木清の文章はこんな感じです。
それでは続きを見てみましょう。帰化申請との接点を意識しながら読み進めましょう。
それは思想が思想である限りの思想に属するのでなく、思想が人間社会に働きかける関係についての規定である。私が思想の性格の名のうちに数えたところの善悪という概念が道徳的、実践的な概念であることがそれを示している。もしそうであるならば、思想の性格の中には社会の構成そのものが反映されているのでなければならぬ。この社会が階級的構成のものであるとするならば、思想の性格は階級的な言葉であるはずである。社会の階級的構成は支配階級と被支配階級とに分れている。そしてこの支配被支配の関係が思想の性格としての善悪をおのずから定める。換言すれば、支配階級の利益を表現する思想は、思想として、善き思想であり、そして反対に被支配階級に仕える思想は、思想として、悪しき思想である。すなわち、一定の階級の社会上の優越がその階級の思想の性格上の優越を規定する。支配階級の思想が支配思想であるからである。したがってこの階級の社会的位置が安定している限り思想の危機は現われない。思想の危機の出現するのは、社会における階級の間の対立、そして矛盾が尖鋭化し、もはや蔽うべからざるものとなったときである。
帰化申請についてのご参考になりましたでしょうか? ではまた次回に!!

タグ :

関連記事

帰化申請
三木清は帰化申請については、何も語らず、しかも著作権切れの文章ですが、じっくりお...
アポスティーユ
アポスティーユについてあれこれ調べてみたら、けっこう面白い制度なんだなっていうこ...